FF7 年表 ソース5


ニブル山を魔晄炉に向かい走るティファ。「父さーん!父さん、どこ?」
魔晄炉前の坂を上ったところで気付き、近寄る。
「しっかりして、父さん」
「う…ティファ……」
父親が弱々しく手を伸ばす。その手を取るティファ。
「父さん!」
涙が父親の服に零れ落ちる。
「ティファ……逃げろ……早くっ……」
「ねえ、しっかりして!父さん!」
力が抜け、息絶える。泣き崩れるティファ。

「……セフィロスね」
低く呟きながら立ち上がるティファ。
「セフィロスがやったのね」
ゆっくりと歩き出す。
「セフィロス……ソルジャー……神羅、魔晄炉……」
側の地面に刺さっていた正宗を片手で引き抜き、一振りして血を飛ばす。
「全部……全部大嫌い!」

魔晄炉内の階段をゆっくり上るセフィロス。
「母さん、会いにきたよ」
ジェノバルームの入り口を見上げながら、静かに呟く。
ゆっくりと階段を上るセフィロスと、掛け上って来るティファの靴音が重なる。
扉に触れるセフィロス、そこへティファが追い付く。
「セフィロス!よくも父さんを、よくも村のみんなを!」
切り掛かるがあっさり止められ、逆に斬られる。
この時のセフィロスがまた、形容しがたい笑顔を浮かべている。そして、剣を持ってジェノバルームへ入る。
それを薄らと見上げるティファ。

「ピンチの時には……来てくれるって、約束、したのに……」
子供の頃の約束、星空のイメージが浮かび上がる。
「クラウド……」
「ティファ…ティファ!」
呼び掛けるザックス。気が付くティファ。
「ザックス……」
呻くティファ。
「セフィロスにやられたんだな?」
目を逸らすティファ。
「あなた達は……ただの調査でこの村に来たんでしょ。だからあたしはここに案内したのよ。それだけなのに……どうして、こんな……」
泣き出すティファ。
「ティファ……」
「嫌いよ。神羅も、ソルジャーも、あなたも。みんな嫌いよ…」
目を逸らし苦々しい顔で立ち上がるザックス。
「すまない……許してくれとは言わない」
歩き出し、階段を上り出す。
「だが……けじめはつけさせてくれ」
剣に手を伸ばし気合いを入れ、破晄撃のような技で扉を破りゆっくりと足を進める。
険しい表情で歩み入るザックス。セフィロスの声が聞こえて立ち止まる。
「母さん、一緒にこの星を取り戻そうよ。俺いいことを考えたんだ」
陶然とジェノバ(カバーがかかっている)に語りかけるセフィロス。
「約束の地へ行こう。母さん」 「セフィロス!何故村人達を殺した!?何故ティファを傷つけた!答えろセフィロス!」
叫ぶザックス。それを鼻で笑うセフィロス。喉の奥で笑う。
「母さん、また奴らが来たよ。母さんは優れた能力と知識で、この星の支配者になるはずだった。けどあいつらが…なんの取り柄もないアイツラが、母さんから この星を奪ったんだよね。でももう悲しまないで。俺と一緒にいこう」
カバーを剥ぎ取るセフィロス。
「やっと会えたね…母さん」
ジェノバを見つめ、嬉しそうなセフィロス。その後ろから、ザックスが剣を突き付ける。
「セフィロス、お前どうしちまったんだよっ」
また低く笑うセフィロス。ひるむザックス。
隣に突き刺してあった正宗を左手で掴み、
「裏切り者め」
振り向きざまに刀を払う。
ザックスは剣で受けるが、いったん後ろにジャンプして回避する。一拍で斬り掛かるが弾かれる。ザックスはジェノバの前に着地、セフィロスは天井近くまで舞 い上がる。それを追い掛けて跳ぶザックスと空中で数度斬り結ぶ。
セフィロスが天井に着地、足がめり込む程のインパクト。
「セフィロス、信頼していたのに!」
斬り掛かるザックス、受けとめるセフィロス。
「いや、お前はもう、俺の知ってるセフィロスじゃない!」
「くっくっくっ…」
ザックスの声など聞こえていないかのように、ザックスのセリフに被って笑うセフィロス。楽しげとも必死とも受け取れるような狂気的な表情。弾き飛ばされる ザックス。
下のパイプの上に着地するが、体勢を整える間もなくザックスの真上のパイプが両断される。
更に下、受け身を取れずもう一段下のパイプに辛うじて着地。立ち上がる間にセフィロスが追ってくる。
「俺は選ばれし者。この星の支配者として選ばれし存在だ」
激しい剣戟、セフィロスが優勢。
飛び退いて間合いを取り、破晄撃(多分ね)を撃つも、振り払ったとも見えない優雅な動きで無効化される。ザックスの右肩からかなりの量の出血がある。
「この星を、おろかなお前達からセトラの手へ取り戻すため、生を受けた」
一瞬で間合いを詰め、ザックスを斬り飛ばす。剣で受けるのが精一杯で、まったく受け身が取れない。ジェノバの前に不時着。
「母のために」
間髪入れず背後にセフィロスが着地。今度こそバスターソードも弾き飛ばされ、自身も斬り飛ばされる。外のフロアのカプセルにぶつかって止まるが、もう動け ない。
セフィロスはきびすを返し、ジェノバのポッドに近づく。左手は刀を持ったまま、両手をポッドの表面に付いて顔を寄せる。
「もう大丈夫だよ、母さん」
セフィロスが見つめるジェノバ、そのガラスの表面に突如ひびが入る。
「うっ」
下を見るセフィロス。腹から血に塗れた幅広の剣の切っ先が覗き、それがポッドのガラスまで傷つけていた。
剣を、新たに流れ出た血が伝う。
「誰だ…」
動けないセフィロス。
「母さんを…ティファを…村を返せ!」
神羅の一般兵が背後からセフィロスを串刺しにしていた。
「あんたを…尊敬していたのに…憧れていたのに!」
微動だにしないセフィロスの横顔。髪に隠れて表情は見えない。
「き、貴様…」
表情が変わる。手が震えている。
兵士が剣を引き抜いた。
「うっ、あ、ああ…っ」
セフィロスはその場に崩れ落ちる。
肩で息をする兵士。
「ティファ!」
思い出したように走って戻る。途中でマスクを投げ捨てる。ザックスの横を通り、ティファのところへ駆け付ける。
ティファをポットにもたれるように体勢を変える。
「クラウド……来てくれたんだ」
頷くクラウド。
「約束、守ってくれたのね。ピンチの時にちゃんと来てくれたんだ」
「ごめん…来るのが少し遅れた」
「いいのよ、クラウド」

話しているところに、奥から一度、破壊音が聞こえる。はっとするクラウド。
ジェノバルームでは、セフィロスが刺された腹を押さえながら左手の正宗でポッドを壊していた。
「母さん…」
呻きながらも笑みを浮かべるセフィロス。正宗を一閃し、ジェノバの首を切り落とす。
クラウドがジェノバルームの方を見上げていると、セフィロスがよろめきながら出てくる。右手にジェノバの首、左手に正宗。切っ先を引きずっている。

「お前ごときに…」
かなり苦しそうなセフィロス。
「クラウド…」
唐突に呼び掛ける声、はっとするクラウド。ザックスの方を見る。
「やつに、とどめを…」
「くっ」
果敢にバスターソードに手を掛けるクラウド。
「お前ごときに」
俯いていて表情は見えないが、口元は笑っているようなセフィロス。剣を構えるクラウド。
「セフィロース!!」
階段を駆け上がるクラウド。
剣が交差する。
「図に乗るな!」
クラウドの剣は切っ先を逸らされ、セフィロスの刀が鳩尾を貫いていた。
クラウドの身体は完全に宙に浮いている。セフィロスは刀を振り払った。投げ飛ばされるクラウド。
「人間ごときが、私を倒せるとでも思っているか!」
もう一度串刺し。めっちゃ痛そうな顔をして叫ぶクラウド。
セフィロスも真っすぐには立っていられないが、クラウドを突き刺して水平に持ち上げる。
「思い知るがいい」
突き刺されたままのクラウドが喋る。
「俺の家族を…」
「ふん」
「俺の故郷を…よくもやってくれたな」
クラウドが震える手で刀身を掴む。
「お前だけは、許さない!」
掴んだ手が切れて柄の方へ血が伝っていく。自ら更に深く刀を刺して、浮いていた足を地につける。驚くセフィロス。
「ぐあああああ!」
叫んで振り飛ばすクラウド、背後の柱に叩きつけられるセフィロス。クラウドは正宗を突き刺したまま膝を付く。
「そんな、馬鹿な…。お前は、一体…」
荒い息をしながらセフィロスを睨み付けるクラウド。その瞳はセフィロスと同じ魔晄の色をしている。
「母さん…」
口元で笑うセフィロス。右手のジェノバの首に目を落とす。
「俺と一緒に、約束の地へ…」
ジェノバの首を胸に抱き抱えてまこう炉に飛び降りるセフィロス。
目を閉じて、幸せそうに微笑んでいる。
そしてその目尻から、涙が零れた。
「セフィロス…」
その様子を茫然と見ていたクラウド。一言呟いて、倒れた。
ドアの陰。クラウドが気を失ったところまで見届けてから、タークスの格闘女が電話を掛けていた。